供養することの大切さを
広めていきたい

曹洞宗 満勝寺 住職 佐々木正悦 様

故郷と東京の橋渡し

故郷を大切にしたいという、同じ志。

初めは確か、私の方から成田さんにご連絡を差し上げました。
東京方面の秋田出身の方と何か繋がりを持てないかと模索していたんです。

私の故郷、秋田県は深刻な過疎化と人口減少に直面しておりまして。
国もお手上げ状態なのですが、かといって手をこまねいているだけではいけないと思い、
何かできることはないかと思案していました。

そんな折に、新聞の記事で偶然成田さんを見つけて。
この人なら力になってくれるかも知れない。
秋田と東京の橋渡しをしてくださるかも知れないと、すぐにお電話をさせていただきました。

最初のお電話で話した内容は、秋田の人口減少について。
それから、関東方面の秋田出身の方々に向けて何が出来るのかということを話し合いましたね。
お葬式の依頼でもないのに、真剣に意見交換に臨んでくださって。
とっても誠実で謙虚な人だな、と感じたことを覚えています。

秋田産のお漬物を成田さんにお送りして、
秋田出身の方に配っていただいたこともありましたね。
秋田にも美味しいものあるんだよ、故郷の素晴らしさを思い出してねと、
そういう想いでお願いしたことで。
故郷を大切にしたいという志は成田さんも同様のようで、快く引き受けてくださいました。

東京在住の満勝寺のお檀家様に、成田さんをご紹介することもあります。
距離が離れていますし、実際にお会い出来る機会も少ないので、
普通はご紹介となるとどうしても心配な部分が出てくるのですが。
成田さんは信頼できる人なので、私も安心してお願いすることができます。
良い出会いに恵まれたなと感じていますね。

誠実なお付き合いとは

如何にしてお檀家様に喜んでもらえるか。

私が住職として務める中で考えるのは、
とにかくお檀家様に喜んでいただきたいということです。
そこは成田さんも同じ考えのようで。
常に相手の為を想って必死になっているところが、共感できる部分ですね。

私がこの考えに至ったのは、若い頃の経験が大きく影響しておりまして。
師匠はとっても厳しい人でね。周りのお寺さんも心配するくらい、厳しく躾けられました。
だからその反動で、坊さんやりたく無いって、ずっと心の中で反抗していたんです。(笑)

だけど、とうとう永平寺に修行へ行くことになって。
4年間修行をして、そのまま万福寺で住職になったんです。

そこで法事を執り行うのですが、これが大変驚くことばかりで。
まず、この25、6の若造を車で迎えにきてくれるんです。
それから私の鞄を持って、車に乗せてくれる。
到着するとそこにはお檀家様もいれば町長さんもいて。
お偉いさんが皆並んで、私に挨拶するんです。

どうしてこんな若造に手を合わせてくれるんだろうと考えた時に、
これは私自身への敬意ではなくて、着ている衣に対する敬意だと気付いたんです。
そういう伝統を作り上げてきた歴代のお寺さんが、住職がいたんだなあと思いましたね。

そこで、私は中身もしっかりしなくちゃいけないなと思ったんです。
こうして敬ってくれるお檀家様に、今まで学んだきたことを少しでも教えていこうと。
少しでも私のできることを還元していこうと思ったのが、私の出家でして。

それからずっと、如何にしてお檀家様に喜んでもらえるかを考え続けてきましたね。

座禅会やお茶会を始めたり、仏教を広める季刊誌を刊行したり。
あちこちのお寺さんを巡る研修旅行にも行きました。
常にお檀家様と交流を持ち、喜んでもらうことを意識しています。
そうすることで、お悩みを話しやすい環境にも繋がりますからね。

人生最後の大切な事

死に対し安堵していただく為のお経。

私たち住職は、亡くなった故人に向けてお経をあげます。
色んな除霊をしたり、供養を授けたりして、真っ直ぐ浄土に行ってほしいと願いを込めるのです。

ですが、私の考えとしましては、お経をあげる目的はもう一つありまして。
ご遺族様に向けて、死に対し安堵していただく為でもあるのです。
 
近しい人を失い、死に対する色んな悲しみや苦しみの中にあるご遺族様。
その辛い心中が、お経を聞くことで段々と浄化され
「ああ、故人を仏の世界に送ってやれた」と安堵していただきたい。
立派に送ってやれたと、心を落ち着かせていただく為にお経をあげております。

亡くなった後、ご遺族様にも安堵していただけるお葬式をお約束すること。
成田さんは「人生最後の10年は最高の時間を過ごしてほしい」という
考えを掲げていらっしゃいますが、人生の最後を心置きなく送っていただく為にも、
これは大切な事なのではないでしょうか。

成田とのこれから

供養することの大切さを広めていきたい。

成田さんとは今後、東京で秋田出身の方を集めて、
慰霊祭や先祖供養祭を計画しています。
供養することの大切さを広めていきたいんです。

ご先祖様というのは、自分という存在のルーツですよね。
両親がいて、そのまた両親がいる。
10代遡ると、1024人の男女が存在していると言われています。
それだけの数のご先祖様がいないと、今の自分は存在しないわけですから。
自分が今此処に生きていて有難いと思うなら、
手を合わせて報恩感謝しないといけないというのが私の考え方です。

最近では、年忌法要をやらない方も増えてきました。
時代の流れなので仕方の無い部分もあるのかも知れませんが、
私達がその大切さを受け継いでいかないと、という使命感はありますね。

若い方達には、まずはその大切さや意味を知ってもらうところから。
先祖供養という文化が大事だなと感じた人達が、
自分達でも広めていきたいなと思っていただけるようになれば、大変喜ばしいことですね。

コツコツと、地道に活動を積み重ねるしかない。
東京と秋田を繋ぐという意味でも、成田さんとは連携を密にしていきたいですね。

2026年01月28日