心置きなく
最後の10年を過ごすこと

曹洞宗 白津山 正法院 住職 清水道広 様

成田との出会い

高校の先輩の成田さん。
偶然の再会で驚きました。

成田さんとは「出会った」というより、
「再会した」という方が正しいかもしれませんね。

東京にいらっしゃる秋田出身の方が、お葬式をあげるにあたり
「秋田のお寺を紹介してほしい」と成田さんにご相談されたみたいで。
共通の知人を伝って、私にご連絡をくださったんです。

成田さんのお名前をお伺いした時点では正直ピンと来なかったのですが、
お会いして「高校の先輩の成田さんだ!」と気付きました(笑)
本当に偶然の再会で驚きましたね。

高校が同じだったという話を差し引いたとしても、
成田さんからお話をいただけたことは、とても嬉しかったことを覚えています。

と言いますのも、秋田に限らず田舎から東京に出ていかれる方というのは、
大概自らの故郷と距離が生まれやすい。
故郷と常に繋がりを持ち、それを自分の仕事や生活と繋げて考える人は少なく感じます。

ですが、成田さんは秋田県との繋がりを今でも大切にされていて。
「故郷があっての自分なんだ」ということを明言されていました。
そういう考えをお持ちで、東京で活躍されている。
そんな方と繋がれたということは、とても喜ばしいことでした。

誠実なお付き合いとは

「大切な一回」を大切に受け止める。

成田さんとは、根底で大切にしている考え方が同じなんです。
それは、お檀家様やお客様に対してとにかく「誠実に向き合う」ということです。

仮に、年間100件の法事を行ったとします。
私にとっては100件ですが、そのお家の方達にとっては、何年かに一度の大切な機会なんです。
それを、100分の1と感じるというのは、絶対に間違っていまして。

だから私は、常に誠心誠意向き合うことを心がけていますし、基本的には断らない。
少しでもご希望に応えられるようにつとめております。

お檀家様から「遠くて行けないので、法事をやってくれる?」と頼まれれば、
LINEを交換して、お寺でお経を読んでいる写真と動画を撮ってお送りします。
その後お墓に行って塔婆を立てて、お墓にお参りして。そうすると、お檀家様も安心しますよね。
「そこまでしなくても!」と言われるのですが(笑)

要は、お檀家様が求めている「大切な一回」を、こちらも、やはり大切に受け止めるべきなんです。

その点、成田さんも同様の考え方をお持ちで、
「せっかく頼ってきてくださったのなら断りたくない。絶対に約束を守りたい。」と仰っていて。
そういった、信用や信頼を大切にする姿勢。それを特別なことではなく、
当たり前の「生き方」として捉える考え方は、私と成田さんの間で共通している部分です。
お互いを信頼し合えているのも、通ずる理念があるからかもしれませんね。

印象的な事

姿勢が伝えること。

数年前のお話になります。
成田さんからご紹介頂いた方のお葬式をさせて頂いた際、お葬式後、開口一番に
「清水住職を紹介して頂いて本当に良かった。成田さんには感謝しています」と。

私が感ずるに、一人一人と誠実に向き合う成田さんの姿勢が伝わったから、
その一言が出てきたんだと思うんです。
成田さんを信頼しており、ご遺族様にとって大切な存在だから出てきた言葉。
普通であれば、お葬式後、真っ先に葬儀屋さんを褒めるということはしませんからね。

人間は、人柄と信用で成立しておりますから。
その様に成田さんを慕う方がいらっしゃるというのは、
やはり、そのお人柄が信頼できるということですね。

私のお檀家様が都内にお住まいで、お葬式をご希望の方には
「ちょっと待ってください。素晴らしい方を知っております」と、
成田さんをご紹介させて頂いております。

やはり秋田と東京では距離があります。
しかし、成田さんという信頼できる存在がいてくださるので、
安心してお任せすることができるんです。
大切なお檀家様にちゃんとご紹介できる方と知り合えたというのは、本当に有難いことですね。

成田とのこれから

継続の先にある往生。

成田さんの掲げる「人生最後の最高の10年」という理念。
どんな最後が幸せかというのは当然、人其々でしょう。
私の考えとしましては、“継続の先にある往生”こそが
幸せな最後なのではないかと感じております。

その人が何か継続しているのであれば、それを止めることなく継続し続けたまま、
ある日生涯を閉じることが出来たとしたら、それはすごく幸せで。
世の中に一生現役という言葉がありますが、ひょっとしたら、原点はそこなのかも知れませんね。

だからこそ私は、皆様が何も心配することなく、いつもの日常を継続し
心置きなく最後の10年を過ごせる環境を作りたいと考えています。

その為に、お檀家様と誠実に向き合い、何かあった時にも頼れる存在であり続ける。
成田さんとの結びつきを大切にし、東京のお檀家様にも安心して過ごしていただく。
誰しもが心配なく最後の10年を過ごせる環境を、成田さんと共に築いていきたいですね。

未来って今の積み重ねで出来ているんです。今の継続なんです。
お檀家様との関係も、成田さんとの関係も、一つ一つ丁寧に。
心を込めて向き合い、善い未来を描いていけたらと考えております。

2026年01月28日