胸の内にある思いを紡ぐ

喪主は九十八歳。

奥様に先立たれた直後は、気持ちの整理がつかず、打ち合わせは翌日に延期した。
翌日、落ち着かれた様子で、「どう送るか」を一つずつ決めていかれた。
会場は護国寺桂昌殿。社葬など大規模な葬儀を行う式場だ。
お花は品を重んじつつ、華やかに。御舟には最高級の檜彫刻をご指定。

参列者は六名。
遠方から来る方の宿泊と移動はすべて手配された。
喪主は高齢のため式場には来られない。
それでもオンラインで参列し、開式前と出棺時に挨拶をされた。
四十九日と納骨は年内に済ませた。

家族葬は、小さく行う葬儀ではない。
胸の内にある思いを隠さず、自分で決められる葬儀だ。

簡素か豪華かではなく、故人と、来てくれた人をどう大切にするか。
自分の気持ちを大事にしてもらいたい。