第十七話 快適を勘違いしない
アナログであることの豊かさ
すべてが速く、便利に、効率化されていくなかで、
手をかけること、時間をかけること、人に会って話すこと
――
そうした“あたりまえ”が、今や“特別”になりつつある。
24時間、365日、一定の温度が保たれたオフィス。
朝も昼も夜も変わらぬ明るさの照明。
それはたしかに“快適”かもしれない。
でも、ふと立ち止まって思う。
「変わらず、一定」というのは、人間の感性を奪っているのではないかと思う。
暑い日もあり、寒い日もある。
だからこそ、春のやわらかさや、秋の穏やかさが、ありがたく感じられる。
便利と引き換えに、私たちは季節のゆらぎや、
人の気配、時間の手触りを手放してしまったのかもしれない。
アナログであることは、もはや時代遅れではない。
むしろ、“温度のある仕事”を届けるうえでの強みであり、
“信頼される存在”であるための、確かな証なのだ。