「旅立ちのかたち」を
見つけるために

「希望は何もいらない。淡々と、事務的に進めてください」
そうおっしゃるお客様もいる。
もちろん、その意向を踏まえて進めることも私たちの大切な仕事の一つだ。

けれど、何も決められないと言われたときこそ、私たちは“余白”を大事にする。
少しコーヒーでも飲みながら、世間話を楽しむ時間を持つ。
たとえば、ふと見つけたご自宅の油絵から、ふるさとの話、家族の記憶が語られ始める。
「誰も来ない」と言っていた方の口から、「姪が手紙をくれてね」と静かな笑顔がこぼれる。

——望まないのではなく、語らないだけだった。
その人らしさは、世間話のなかに、ちゃんとある。

だから私たちは、耳を澄ます。
今日もまた、何気ない会話のなかに宿る「旅立ちのかたち」を見つけるために。

誰だって、打合せの時間、
ずーっと葬儀の話しだけだったらしんどいですからね。